Kindle の技術書でテキスト検索しようとしたら、固定レイアウトで検索できないことに気づいて、「テキスト検索できない技術書の電子書籍って、意味なくない?1」という疑問をもち、同様の意見がないかWeb検索してみると、「固定レイアウトだとできることが限られるので、購入時には注意が必要」とか「IT技術者向けに電子書籍PDFとiPadの組み合わせが最強」といった、穏当な意見が多いようだ。「固定レイアウトKindle」憂慮派の意見は下記を参照。全面的に同意である。また、固定レイアウトのePubもまったく同じ問題を抱えている。
よって、今後は「固定レイアウトのKindle」ではなく、出版社から「PDF」か「固定レイアウトでないePub」を買おう、ということで、IT系の技術書の出版社の電子書籍の販売状況について整理した。各サイトから1冊買ってみたが、書籍や時期によってサービスの状況が異なる可能性があるので、その点はご留意願いたい。あと、買った後は、GoogleDriveにアップロードして端末間で共有し、iPad及びiPhoneの「ブック」から開くのが簡便だと思う。手書きの書き込み環境を整えやすいため PDFが人気のようだが、自分は iPhone でも読みやすい ePub の方が好み。
各出版社の電子書籍販売状況
オライリー
項目 | 内容 |
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サイト | https://www.oreilly.co.jp/ebook/ |
ファイル形式 | PDF,EPUB(書籍による) |
DRM | フリー "O'Reilly Japanの書籍がすべてDRM Free、可搬性と検索性に優れたEbookでご活用いただけます。" |
支払い方法 | PayPal |
登録情報 | PayPalアカウントがあれば、メールアドレスのみ |
提携先 | 紙書籍の販売はオーム社に委託。 |
関連情報 | 米国のオライリーはDRMフリーの電子書籍の自社販売を終了している。Amazon、B&N、(DRMフリー)Google Books 等で提供?2 |
技術評論社
項目 | 内容 |
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サイト | https://gihyo.jp/dp |
ファイル形式 | PDF,EPUB(書籍による) |
DRM | ソーシャルDRM "Gihyo Digital Publishingで購入された電子コンテンツには,いわゆるDRMと呼ばれている利用や複製を制限するような機構は入っていませんが,購入されたユーザ様を識別できるようなユニークIDとメールアドレス等の個人情報を付加しております。" |
支払い方法 | PayPal、クレジットカード、銀行振込 ※PayPal以外の支払い方法でも、PayPalアカウントが必要 |
登録情報 | PayPalアカウントがあれば、メールアドレスのみ |
提携先 | Amazon Kindle, 楽天kobo, honto, ヨドバシ・ドット・コム, BookLive!, DMM電子書籍, Google Play ブックス |
マイナビ(旧「毎日コミュニケーションズ」)
マイナビ出版の雑誌・書籍の紹介サイトの「マイナビBOOKS」とマイナビ出版が運営するITを学ぶ方に向けた電子書籍ストアである「Tech Book Zone Manatee」がある。
項目 | 内容 |
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マイナビBOOKS | https://book.mynavi.jp/ec/ |
Manatee | https://book.mynavi.jp/manatee/ |
ファイル形式 | PDF,リフロー型EPUB,固定型EPUB(書籍による) |
DRM | ソーシャルDRM "当ストアで販売される電子書籍はソーシャルDRMという著作権管理方式を採用しており、購入者の個人的な利用目的以外での電子書籍の複製を禁じております。ご購入された電子書籍には、購入者情報および暗号化したコードが埋め込まれております。" |
支払い方法 | クレジットカード(VISA、MasterCard、JCB、American Express、Diners Club)、Pay-easyを利用した銀行・ネット銀行振り込み、コンビ二決済、代金引換 |
登録情報 | 氏名、住所、電話番号、メールアドレス が必須 |
翔泳社
項目 | 内容 |
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サイト | https://www.seshop.com/ |
ファイル形式 | |
DRM | ソーシャルDRM "不正利用防止のためPDFには購入者のメールアドレスが埋め込まれます。" |
支払い方法 | クレジットカード、代金引換、銀行振込(※商品代金(税込)と送料(税込)の合計が15,000円以上の場合のみ)、Amazon Pay |
登録情報 | メールアドレスのみ |
提携先 | Kindle, 楽天Kobo, honto, ヨドバシ, BookLive!, Google |
インプレス
項目 | 内容 |
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サイト | https://book.impress.co.jp/ |
ファイル形式 | PDF,EPUB(書籍による) |
DRM | ソーシャルDRM等 "当サイトでは、著作権保護のため、ソーシャルDRMを採用しているタイトルがございます。採用しているタイトルには、最終ページにCLUB Impressの会員メールアドレスが記載されております。" |
支払い方法 | クレジットカード、コンビニ振込、郵便振替 |
登録情報 | 会員ID、氏名、誕生年月、メールアドレス が必須 |
提携先 | Amazon.co.jp, 楽天, セブンネット, ヨドバシ.com, HonyaClub.com, honto, e-hon |
達人出版会
項目 | 内容 |
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サイト | https://tatsu-zine.com/ |
ファイル形式 | PDF,EPUB,EPUB固定(書籍による) |
DRM | ソーシャルDRM "技術書籍においては、読者の方の利便性を最重要視することが著者や出版社にとってもメリットになると考え、 機械的な閲覧制限のしくみは導入しておりません。 その代わりに、PDFには各ページの下部に購入者のメールアドレスが、またEPUBには書名のメタデータ部分に 購入者のメールアドレスが署名として記載されています。" |
支払い方法 | PayPal |
登録情報 | PayPalアカウントがあれば、メールアドレスのみ |
CQ出版
CQ出版WebShop(https://shop.cqpub.co.jp/)の登録システムと,電子書籍ダウンロード販売(およびCQ connect)の登録システムは別々のシステムとなっています.とのことなので、注意。
項目 | 内容 |
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サイト | https://cc.cqpub.co.jp/lib/ |
ファイル形式 | |
DRM | ソーシャルDRM "2017年1月23日より,PDFファイルへの電子透かしを導入いたしました.ダウンロードされるPDFファイルに対し,購入していただいたお客様の情報を埋め込みます." |
支払い方法 | クレジット・カード(VISA,MasterCard,JCB,American Express,Diners Club)のみ |
登録情報 | 氏名、生年月日、メールアドレス、担当業務職種、担当業務アプリケーション が必須 |
SBクリエイティブ
項目 | 内容 |
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サイト | https://www.sbcr.jp/ |
提携先 | Amazon Kindle, 楽天kobo, BookLive!, BOOK☆WARKER, honto |
オーム社
項目 | 内容 |
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サイト | https://www.ohmsha.co.jp/ |
提携先 | https://www.ohmsha.co.jp/information/ebook_support.htm |
日経BP
項目 | 内容 |
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サイト | https://bookplus.nikkei.com/ |
提携先 | Amazon Kindle, 楽天kobo, honto, 紀伊国屋 |
カットシステム
項目 | 内容 |
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サイト | https://cutt.co.jp/book/e-books.html |
提携先 | シナノ、達人出版会 |
C&R研究所
項目 | 内容 |
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サイト | https://www.c-r.com/ |
提携先 | Amazon、Manatee |
各出版社のPDFのセキュリティ設定の例
各社1ファイルでの確認結果であり、他のファイルが同様の設定であるかは分かりませんでのご留意ください。
文書に関する制限 | オライリー | 技術評論社 | マイナビ | 翔泳社 | インプレス | 達人出版会 | CQ出版 |
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印刷 | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ |
文書アセンブリ | × | × | × | × | × | × | × |
内容のコピー | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | × |
アクセシビリティのための内容の抽出 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
ページの抽出 | × | × | × | × | × | × | × |
注釈 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
フォームフィールドの入力 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
署名 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
テンプレートページの設定 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
○:許可、×:許可しない
電子書籍ストアはどこを使うか?
下記サイトを参照ください。いろいろな切り口でまとまっていて、比較しやすいです。
自分は基本的に一般書は「Kindle」(固定レイアウトの技術書を除く)、コミックは「eBookJapan」と使い分けています。
参考
- 技術書・参考書はDRMフリーなPDFが一番!DRMフリーPDFの電子書籍が購入できるサイトまとめ
- 技術書をPDFでも購入できる出版社とサイト
- DRMフリーの電子書籍ストア - 或る阿呆の記
- 技術書は出版社の直販サイトでPDFを買っている - あんパン
- Kindleで技術書を読むメリット・デメリット【電子書籍のすゝめ】 | Webデザイナーどうでしょう
- 『技術書の読書術』から学ぶ紙と電子書籍の使い分け方
- 【エンジニア必携】iPadは技術書読むためだけに買っても損しない【レビュー】 | フリーなエンジニア育成論
- ITエンジニアが技術書はiPadで読む9つの理由【電子書籍】 | 最速のインフラエンジニア
更新履歴
- データなので管理が楽、ということしかないと思うが。↩
- 【やじうまWatch】 米オライリーがDRMフリーの電子書籍の販売を停止、サブスクリプション制に移行へ - INTERNET Watch↩